Verpa digitaliformis (テンガイカブリ)
子嚢菌門チャワンタケ綱チャワンタケ目アミガサタケ科



長野の山々でもようやくサクラの花が開き、屋外が徐々に賑わってきました。

一般にキノコは秋というイメージがありますが、春に生えるキノコの仲間も知られています。
今回紹介するのはテンガイカブリというキノコです。

テンガイは“天蓋”を意味します。虚無僧が深編み笠をかぶった姿を連想して
付けられた名でしょうか。

一見ふつうのキノコに見えますが、“天蓋”の内側を覗いてもひだはありません。
ひだは本来キノコが胞子を作る場所ですが、 このキノコの場合は“天蓋”の
表側の茶色い部分に胞子を作ります。

また顕微鏡で観察すると、胞子が子嚢(しのう)と呼ばれる袋に入っている
子嚢菌の仲間であることが分かります。