筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所 ホームに戻る
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 樹木園の概要 


<菅平高原の自然のすがた>

 人がまだ住んでいなかった時代の菅平はブナという樹木の森でおおわれていたと考えられています。その後、人々がこの地に暮らすようになり、樹木の伐採や家畜の放牧、農耕をくり返している間に、現在見られるような自然に変化してきました。現在でも、スキー場を広げたりグラウンドなどを造ることにより、自然のすがたは変化しています。


<この樹木園の目的>

 そこで、私たちはこの場所に菅平本来の自然の森であるブナ林を復元しようとしています。そのため、園内の大部分にブナの木を植えてあります。ブナを植えた後はなるべく人の手を加えないで、鳥が運んだり、風によって散布された種子から芽生えた植物が森をつくるよう、自然のままにしてあります。やがて、ブナが大木になるころには、虫や小鳥、獣などがすみついて、菅平に昔からいた生き物たちの森ができるでしょう。いまでも、アカゲラが巣をつくり、カモシカが餌を探すほどに自然が回復しています。ブナはヤマハンノキとシラカンバの林の下に植えられていますが、その下ですくすくと育っています。ブナの木は他の樹木の下でも育つことができる木です。そして、ヤマハンノキとシラカンバの落葉で、この場所の土は年々豊かになります。


<樹木園の利用>

 現在この森を使って、大学生や研究者の人たちが動物や微生物を調べたり、樹木の生長やそれにともなう環境条件の変化、生物相の変化などを研究しています。このように、樹木園は自然がどのように変化して菅平本来の自然にもどっていくのかを研究する場所として使われています。

 園内にはブナの木以外にもおよそ200種類もの樹木が植えられていて、その名前を知ることができるようになっていますまた、根子岳、四阿山の頂上付近に生育しているコメツガやシラベもまとめて植えられているので、ブナ林とそれらの林を比較して観察することもできます。


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