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遺存種 遺存種(relic species)とは、かつては繁栄して広く分布していた生物が、その後環境の変化などで衰退、分布を縮小し、現在では限られた場所に残るのみとなったもののことをいいます。点々といくつかの高山の頂上付近だけに残っている種など、日本にもいくつかの例があります。 菅平には遺存種が数多くあります。これらは数万年前、地球が今より寒かった時代(氷河時代:ice age)には現在より広い範囲に分布していました。しかし氷河時代が終わると、気候が温暖になって生育できなくなったり、別の生物との競争に負けたりして、だんだんと寒冷な地域へ追いやられてきました。多くはより北へ移動しましたが、中には標高の高い地域で残ったものもあります。 菅平は中心部の標高が約1,250mの盆地で冷気がたまりやすく、年間の平均気温は北海道の稚内と同じくらいとなっています。菅平で北方系の遺存種が見られるのはこのためだと考えられています。 氷河時代の生き残りである菅平の遺存種。しかし近年になって、地球の温暖化による影響が懸念されています。私たちは今後、彼らの動向を注意深く見守っていく必要があります。 <菅平で見られる主な遺存種> オニヒョウタンボク、ヤマハマナス(カラフトイバラ)、クロビイタヤ(シバタカエデ)、クロミサンザシ、ツキヌキソウ、ハナヒョウタンボク |
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