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-冬の菅平で自然を学ぶ -生物学野外実習・JTP生物学セミナーTが行われる-

2008年3月

 2008年3月10日〜14日、筑波大学の生物学類を対象とした野外実習「生物学野外実習」と短期留学生プログラム「JTP Seminar in BiologyT」が同時開講されました。この実習は典型的な中部山岳地帯の積雪期における動物を中心とした生物の生き様に触れ、生物に対しての認識を深めることを目的としています。

 この実習は、アニマルトラッキング、バードウォッチングなど、厳冬期にたくましく生きる動物たちの観察を行うことを目的としています。アニマルトラッキングとは、雪上に残された野生動物の足跡を追跡したり、糞などの生活痕や巣穴を観察したりすることをいいます。学生はキツネ・タヌキ・カモシカ・テン・ウサギ・リスなどの足跡の見分け方を学んだり、糞の観察をして動物が食べたものを調べたりしました。散策中はノウサギやリスに出会ったり、キツネの巣穴を見つけるといった場面もありました。

 バードウォッチングでは、カワラヒワ・マヒワ・ベニマシコ・シメ・ホオジロ・ウソ・コゲラ・コガラ・ヒガラ・シジュウカラ・ヤマガラ・ゴジュウカラ・ツグミ・ヒヨドリ・ハクセキレイ・ヤマドリなどを見ることができました。そして、珍しいケリ(「キリッ」という鋭い声を出すので「ケリ」という名前がつけられています)というチドリ科の鳥、二羽が近くで観察されました。普段は田んぼなどに見られる鳥、雪の中で何をしていたのでしょうか。

 また、樹皮下や石の下を調べて、蛾の幼虫・カメムシ・クモ類などが寒さをしのいで越冬している様子も観察しました。雪の表面を調べるとトビムシ・ガガンボ・カワゲラなどの雪上昆虫も見られ、寒さの厳しい時期でもたくさんの昆虫類が活動していることが分かりました。その他に、当センター周辺での野鳥観察も行い、マヒワ・ベニマシコ、ウソ・コゲラ・コガラ・ヒガラ・シジュウカラ・ヤマガラ・ゴジュウカラなどを見ることができました。

 今回参加した学生は20名で、うち6名が海外からの留学生でした。他では体験できない学習ということもあって、みな、目を輝かせ自然や生物に触れ合っていました。腰まで雪に埋もれるきつい雪中行動、それを厭わず動物の足跡を追い、鳥の姿を探し、朽木を壊して小動物を採集、持ち帰ったデータを解析し動物の行動を考察、拾った糞を分析して食性から糞の主を特定などなど、発表会での彼らの研究成果は感嘆すべきものでした。このような生物学実習はかけがえのないものとし、さらに発展させて続けていきます。


樹皮の下を調べる
木の樹皮をめくって
越冬している幼虫などを探しました。

アニマルトラッキング
キツネの足跡を発見!
どこへ向かっているのかな?

記念撮影
ここ数日、例年に比べて暖かい日が続いていましたが
まだ大明神の滝は凍っていました。


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