筑波大学菅平高原実験センター ホームに戻る
センターの概要 菅平高原の自然と生物 樹木園 研究活動 教育活動 施設利用 リンク
 
 

 ニュース 

最新のニュースに戻る
前のニュースへ | 次のニュースへ ]

第2回昆虫観察旅行inマレーシア

2010年4月

 2010年4月9日〜4月15日に、菅平高原実験センターの昆虫比較発生・形態学研究室の町田龍一郎准教授と学生5名の総勢6名で、再びマレーシアに昆虫観察旅行に行ってきました。第一の目的は前回と同じくジュズヒゲムシ目(もく)(ジュズヒゲムシ目についてはバックナンバー「昆虫観察旅行inマレーシア」をご覧ください)ですが、今回はそれに加えて原始的なカマキリ目であるケンランカマキリ、ハサミムシ目の原始的な科、色々なゴキブリ目、シロアリモドキ目、また、南半球を中心に分布するミナミイシノミ科のイシノミ目などもターゲットです。

 成田から6時間のフライトを経てマレーシアの首都・クアラルンプールへ。出発直前の天気予報は雷雨の予報でしたが、着いてみれば天気はとても良好でした。ほっと胸をなでおろす一行。前回からは一ヶ月おそい今回の日程ですが、その分やたらに暑い!連日35度近くの猛暑でした。菅平との気温差はおよそ40度です。一行の最年長は午後になるといつも熱中症になっている始末。好天といっても、熱帯特有のいきなりのスコール、それは半端でありません。前回の旅行でマレーシアでのノウハウを得た私たちは、名ガイドのヤップさん・名ドライバーのシャローさんお二人の力を借りながら、熱帯雨林での調査を順調にこなすことができました。道すがら絶好の朽ち木を見つける度に車を止め、木の方へまっしぐら!そして樹皮を剥いでは、隠れているジュズヒゲムシを着実に見つけていくことができました。また、色々なハサミムシ類、巨大なシロアリモドキ、色々なゴキブリ・・・、ミナミイシノミもそれ相当の数に会えました。

 ところが、目的の一つであったケンランカマキリが一向に見つかりません。来る日も来る日も空振りばかり。突然の大雨にも見舞われ、打ちひしがれて「もうダメか」と諦めかけた最終日の引き上げ終了1時間前、樹上に何やら黒い物体・・・「ケンランカマキリだ!」。この1匹目の幼虫を発端にして一気にケンラン熱がついた我々。ケンランカマキリが高い樹の樹皮下に潜み、それを剥ぐと目にもとまらぬ速さで樹幹を走り回り逃げる!それを追うように我々が幹を取り囲み、その走り逃げる方向を見極め追い回す!緊迫感に満ちたチェイスです。そうして我々はその後、メス成虫と幼虫を1匹ずつ発見したのです。扁平なカマキリらしからぬゴキブリっぽい体躯、そして何より、「絢爛」を冠するカマキリの美しさに見惚れる私達でした。

 今回もマレーシアの昆虫の画像をアップする予定ですのでご期待ください。別れ際、ガイドのヤップさん、「来年はいつ頃来るの?」と、来年再び来るのが当たり前のように問われました。いえ、何と言われてもまた来ますから!


タテハモドキ
美麗なタテハモドキ

採集風景
ジュズヒゲムシやハサミムシを探している様子

集合写真
ガイドのヤップさん(右端)、ドライバーのシャローさん(右から3番目)と


このページのトップへ